陶器メーカー大手によって企画された保養施設TOTOシーウィンドは建築家安藤忠雄によってつくられました。自然豊かな淡路島に佇むTOTOシーウィンドの魅力をみていきます。
完成まで
陶器メーカーTOTOの創業80周年記念事業として、企画された研修および保養施設は完成までに5年間の歳月を費やした。それは、阪神・淡路大震災をまともに被った地域での建設の是非、敷地地盤の安全性の確認、急斜面での工事の可否など様々な問題を解決する必要があった。それらを建築主、設計者、施工者が協力し合って作り上げることができた。
45度の急斜面に高低差100m
建物外観
道路からは8階建ての建物があるとは感じられない
ダイナミックなエントランス棟
地形に合わせた段状の下層部宿泊棟と軸線を45度振ってエントランス棟のダイナミックな8階建ての空間構成となっています。
建物は最上階のエントランスから入り、海に近づきながら下の階におりていきます。
建物内部
ロビーに入ると大階段と大阪湾を望む全面ガラスの巨大な窓が広がっています。
それは、まるでコンクリートで縁取った絵画のようです。大階段にはエレベーターはあえて設置されていません。迫力ある大階段を一歩づつ下りていきながら大阪湾の景色を少しずつ楽しむようになっており、どこにも無いインパクトのあるロビーとなっています。
壁には安藤忠雄氏によるシーウィンドのスケッチ
エレベーター
エレベーターは、7階ロビーから外に出て空中に架けられたブリッジを渡ったところに設けられています。この自然豊かな景色を感じてもらうため、あえて屋根をつくっていません。ロビーでは窓越しに淡路の美しさを感じ、このブリッジでは空と海が一体となった淡路の美しさを体感することができます。
日の出の風景
施設は東向きとなっているため、日の出の風景は絶景となっています。ロビーやエレベーター通路など様々な場所から楽しめます。
眺望
木々が伸びてきて覆われていく客室
通常では不適当と考えられる急峻な地形の敷地に挑戦し、地域に開かれた海のある施設をつくりたいとの願いを大胆かた精緻な設計と周到な施工で実現し、この地の空と海と緑の魅力を最大限に引き出し、変化に富む建築空間となっています。
建材、陶器メーカーTOTOと建築家安藤忠雄氏のコラボレーションによる研修施設は単に保養の場としてだけでなく、自然環境を守りながら建築はどうあるべきかを考えさせる場にもなっています。