フェリーを待つ人でにぎわう海の駅なおしまは、文化芸術の島である直島の玄関口となる宮浦港のフェリーターミナルです。建築家妹島和世と西澤立衛により設立されたSANAAによってつくられた島のシンボルである海の駅なおしまの魅力をみていきます。
海の駅なおしまの特徴
コンセプトは「島のエントランスとしての大屋根」
設計当初は、直島のランドマークとなるようなシンボルタワーとするような案なども挙がっていたが、目立ちすぎるタワーは自然豊かな直島に対して暴力的になるのではないかとの結論に至り、大屋根案に行きつきました。
建物外観
高さ5m、縦横70m×52mの3,600㎡の大きく軽やかな大屋根が敷地のほとんどを覆っており、フェリーに乗船する人たちや車、トラックなどが建物とより一体的で密接な関係となるようになっています。
スチールプレートでできた大屋根は薄い鋼板で軽やかに見え、その屋根を支えるのはわずか直径85㎜のスチール柱であり、ターミナル全体は軽々しい印象を与えています。山の稜線を遮ることなく、島の景色に溶け込んだフェリーターミナルとなっています。
天井のデッキプレートをそのまま使う低コストな仕上げにも思えますが、その波型から生まれるストライプ模様が空間の奥へ伸びることで遠近感を与えています。
外が明るい場合は、内部空間が徹底的に暗くなり、建物の内外に強い陰影を生まれさせています。
柱のスパン約7mで大屋根を支える柱は、極限を超えているように感じられ、「島旅」に来た来島者の緊張化や高揚感をより一層強くさせるだけでなく、非日常的な感覚を呼び起こさせています。
梁同士の接合部分や柱と梁の接合部分も余計なものが一切なくスッキリとしています。また技術的に難しい、柱と床面の取り合いをごく自然につくりあげています。
内部デザイン
海の駅なおしま
金沢21世紀美術館
ターミナルホール内部の天井は、白く仕上げられていて、そこから落ちてくる円柱は「金沢21世紀美術館」の雰囲気でも近い仕上がりとなっています。ただし、ここでのカウンターなどは白で統一せず、力強いコンクリート打ち放しとなっており、直島にある地中美術館など安藤建築的なデザインを意識しているとも言えます。
船を待つ人々
行き交う人々
直島港ターミナル
本村にある直島港ターミナル
直島本村にある小さな旅客船のためのターミナル。こちらもSANAAが手掛けています。
本村は多くの観光客が訪れる場所であり、だれでも船乗り場がすぐにわかるように、まちのランドマークとなるようにつくらています。
海の駅なおしまの直線に対し、直島港ターミナルは球状になっています。
格子状に組んだ木の柱梁の上に、球体のFRPをランダムに積み上げて、入道雲のような立体的な形がつくられています。