瀬戸内と中四国の名建築を楽しむ
瀬戸内海の温暖な気候、風光明媚な景色を活かしたさまざまな施設があります。村野藤吾や前川國男、丹下健三など有名建築家・建築設計事務所などが地域の風土を活かしつつ、地元にあった特徴のある施設を設計しています。瀬戸内海の景色に溶け込み佇んでいる建築を紹介いたします。
旧制広島高等学校在学中にル・コルビュジエのソヴィエトパレス計画を知り感動した丹下健三は建築家に進む道を決意。そのソヴィエトパレス計画は丹下健三の平和記念公園と原爆資料館設計の源となり、被爆者への鎮魂と世界平和への決意を空間として表現し、建築家丹下健三の出発点となった。
被爆者でもあったフーゴ・ラッサール神父の熱意によって始まった被爆者のための霊を慰める聖堂計画。神父は日本的な聖堂を希望し設計案のコンペが実施されましたが、コンペの結果は1等該当なしでした。
香川県庁舎東館
今治市公会堂・今治市役所
建築家丹下健三の故郷今治市には今治市役所を中心とした建設群が存在している。特に今治市公会堂の美しいプロポーションの折壁構造や市役所の巨大遮光ルーバーなど「神々の尺度」を持った建物は見応えがあるものとなっている。
旧倉敷市役所
旧岡山県総合文化センター
旧香川県立図書館
旧香川県立図書館は芦原義信が設計。芦原義信は、坂倉準三建築設計事務所で経験を積み、アメリカハーバード大学大学院に留学し、卒業後はマルセル・ブロイヤーを師事した。打ちっ放しコンクリート、雁行する敷石、スキップフロアーなどを見事に表現した芦原義信氏の初期の傑作。
旧岡山美術館
神戸ポートタワー
神戸ポートタワーは、原口忠次郎神戸市長の日本経済を発展させる海運貿易の基盤となる港湾を一般の人々に見てもらい、神戸港の発展に関心を持ってもらいたいとの想いから計画が始まった市民のシンボルとなるタワーであった。
実業家大原總一郎と建築技師浦辺鎮太郎によりつくられた倉敷国際ホテルは、倉敷の町並みや景観を意識し、倉敷にふさわしいホテルであった。70室の客室と小さいながらも、世界に通ずる品位と風格をもちながら、居心地の良い、寛いだ雰囲気の空間となっていました。
旧香川県立体育館
旧香川県立体育館は、吊り屋根を支える巨大な縁梁と側梁、スタンド床を支える格子梁が特徴。国立屋内総合競技場は同時期に同じコンセプト、同じつり屋根構造で造られた双子の建物と言われている。また、共にル・コルビュジエの影響を受けているものの、県立体育館はブルータリズムな建物となっており、全く異なる造形に至っている。
津山文化センター
津山文化センターは、隣接する津山城跡の壮大な石垣の一角に、完璧なグリットにより割り付けられた斗栱と上階につれて持ち出された屋根により近代建築に寺社建築をイメージさせた迫力と美しさを兼ね備えた建物であった。
戦没学徒記念若人の広場
戦没学徒で亡くなった若人を慰霊したいとの想いから建築家丹下健三が設計を受諾し1966年に竣工。しかしながら、竣工式式事における戦没学徒に対する考えの違いがわかり丹下健三は竣工式を欠席し、作品集にも掲載されることはなかった。
市営基町高層アパート
鳴門市文化会館群
同じル・コルビュジエ建築に憧憬を持った同世代である東京大学教授の丹下健三は神聖な造形美、モニュメンタルな建築を主体とした。一方の京都大学教授の増田友也は哲学的思考に基づく建築論を専門とし静かな存在感を主体としていた。鳴門市文化会館は増田友也による渾身の遺作となった。
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高松のモダニズム建築を楽しむ
高松市には、香川県庁舎を始めル・コルビュジエの影響を色濃く受けたモダニズム建築がたくさんあります。次第に地元の風土と融合していく過程を楽しむことができます。
香川県営住宅一宮団地
丹下健三計画研究室