瀬戸内と中四国の名建築を楽しむ(1980年以降)
瀬戸内海の温暖な気候、風光明媚な景色を活かしたさまざまな施設があります。安藤忠雄や隈研吾、三分一博志など有名建築家・建築設計事務所などが地域の風土を活かしつつ、地元にあった特徴のある施設を設計しています。瀬戸内海の景色に溶け込み佇んでいる建築を紹介いたします。
兵庫県立歴史博物館
広島市現代美術館
洲本市立洲本図書館
洲本市立洲本図書館は、明治42年に完成した旧カネボウ洲本工場の再生プロジェクトの一環としてつくられた。求められたのは、図書館設計と合わせて工場群全体を保存整備しながら再生させることであった。百年以上の風に耐えた煉瓦を活かしながら、図書館としての機能や使いやすさを上手く融合させた図書館となっていた。
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
猪熊弦一郎現代美術館は、猪熊画伯が指名した建築家谷口吉生との対話によって美術館設計が進められた。猪熊画伯が目指したのは他の美術館の手本となるような、また世界にも通用するような美術館であった。
亀老山展望台
亀老山展望台は、建築家隈研吾がバブル時代の失敗や右手の負傷と失意の中で、新たな発想でデザインしたのが亀老山展望公園にある「見えない展望台」であった。東京から撤退し、地方での再出発点がここにあった。
ベネッセハウスミュージアム
ベネッセハウスミュージアムは、「自然・建築・アートの共生」をコンセプトとして直島につくられた最初の美術館。瀬戸内海を望む高台に建ち、大きな開口部から島の自然を内部へと導き入れる構造は、これまでの美術館と一線を画すミュージアムとなっていた。
直島メソッドの出発点となったミュージアムの魅力をみていきます。
奈義町現代美術館
上田正治写真美術館
植田正治写真美術館は、写真家植田正治生誕の地に、植田正治から寄贈された12,000点を半永久的に保存・展示する美術館として計画された。植田正治の意向に沿って町は高松伸を設計者として指名した。
平山郁夫美術館
平山郁夫美術館は、平山画伯の生まれ故郷である瀬戸内の生口島に設けられた美術館。
平山画伯の自宅を設計し、日本建築の第一人者吉田五十八の元で約20年間務めた今里隆による「平和への祈り」のメッセージとなった。
牧野記念館は、常に新しいことを目指す建築家内藤廣が設計。山麓に位置し、太平洋からの激しい雨や台風の通過道となるなど厳しい気象条件の中でこそ生み出すことができた環境保全型建築となった。
淡路夢舞台
淡路夢舞台は、大阪ベイエリア開発のため土砂採掘場となり、緑が失われた土地約28万平方メートルの敷地を回復させる計画であった。建築家安藤忠雄がグランドデザインをおこなった。
広島市環境局中工場
広島市環境局中工場は、優れたデザインの社会資本を整備していくプロジェクト「ひろしま2045」で新設候補となり、設計を美術館の巨匠谷口吉生とした。谷口吉生により、今までにない新しいかたちの清掃工場が誕生した。
地中美術館
「自然と人間の関係を考える場所」としてつくられた地中美術館は、瀬戸内の美しい景観を損なわないよう建物の大半が地下に埋設された。館内にはクロード・モネの「睡蓮」、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品が安藤忠雄設計の建物に恒久設置されています。
建築家安藤忠雄を含めた4人の芸術家がそれぞれの世界との向き合い方を示した美術館であった。
海の駅なおしま
海の駅なおしまは、妹島和世と西沢立衛の建築家ユニットSANAAによる設計。直島の風景を壊すことなく、海の水平線をそのまま陸へとつなぐような真っ直ぐな屋根は伸びやかなランドマークとなっている。70m×52mの薄い屋根と細い柱、鏡面仕上げの壁が特徴。直島を訪れる人々を草間彌生の赤かぼちゃと妹島和世のドロップチェアとともに出迎えてくれる印象的なゲートとなっています。
坂の上の雲ミュージアム
坂の上の雲ミュージアムは、松山を舞台にした司馬遼太郎の長編小説「坂の上の雲」をテーマにしたミュージアム。設計は「司馬遼太郎記念館」にも携わった建築家安藤忠雄によるもの。
犬島精錬所美術館
犬島精錬所美術館は、銅製錬所の産業遺産を保存、再生しながら新たな美術館として、それ自体もアート作品としてつくられた。
現代美術の柳幸典と建築家三分一博志との共同制作により「あるものを活かし、無いものを創る」というコンセプトのもとに、考え抜かれた美術館であった。
豊島美術館
豊島美術館は、瀬戸内海を望む豊島唐櫃の小高い丘に建設されたアーティスト内藤礼と建築家西沢立衛による美術館。日本の原風景である棚田と日本人建築家と日本人アーティストのコラボによる美術館は、まさに現代の禅の庭であった。
六甲枝垂れ
六甲枝垂れは、いかにして建築が地球の一部になるかを一貫したテーマとして「地球のディテール」を提唱する三分一博志氏による自然体感展望台。六甲の自然を季節によって楽しめる展望台となっていた。
今治市伊藤豊雄建築ミュージアム
弥山展望台
神勝寺洸庭
おりづるタワー
おりづるタワーは、世界遺産でもある原爆ドームに隣接するビルを建築家三分一博志が改修してできた展望台。平和記念公園など広島の風景を一望でき、風を肌で感じることができるオープンな展望台となった。地元の実業家松田哲也と三分一博志による平和の祈りであった。
梼原町立図書館
PEAK
展望台PEAKは、尾道の展望台再開発として計画され、LOUIS VUITTONの店舗から青森県立美術館など幅広い設計を手がける建築家青木淳とパートナーの品川雅俊による設計事務所ASが選ばれた。展望台は尾道の景観に調和した坂道をコンセプトとしてつくられた。
福武トレス
福武トレスは、ベネッセコーポレーション創業者である福武哲彦が1985年に完成させた迎賓館と庭園を、娘の福武美津子のプロデュースにより復元し、リニューアルした施設。福武哲彦の蒐集した作品を展示したガラス張りの新設ギャラリーは、建築家ユニットTNAにより森と庭園に囲まれた心休まる建物となっていた。
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瀬戸内の名建築を楽しむ
高松のモダニズム建築を楽しむ
高松市には1950年代から70年代前半にかけてのモダニズム建築が点在しています。香川県庁舎から始まった戦後復興はル・コルビュジエの影響を色濃く受けながらも、次第に地元の風土に根ざした建物へと転換していく過程を楽しむことができます。